045083 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Windy Valley

Windy Valley

#002 ドアを開けるとそこは

Windy Valley > 傑作な実話

傑作ファイル #002 ドアを開けるとそこは 1996/01/01

ある地方の交響楽団の人(ここではAさんと呼ぶことにします)の話です。 その楽団は演奏会でよく東京へと出てきていたそうで、Aさんはかなりの酒豪ですから東京に来たときは必ずかなり飲みまくっていたそうです。

さて、その問題の日もAさんはかなり酔ってホテルに戻ってきました。 もうこのまま寝てしまおうとも思ったのですが、やはりシャワーを浴びたくて、ぱっと服を脱ぎ捨てて、浴室のドアを開けてばたんと閉めて、さてシャワーを浴びようと思ったところ、どうも様子が変です。 Aさん、そこでさーっと酔いが覚めたそうです。もう、お分かりですよね。 そう、廊下に出ていたんです。

Aさん、血の気が引けながらも、考えました。まず、人に見られたくないところ(ちなみに男の人です)をかくさなくては。でも、素っ裸だし、ホテルの廊下には何もものがないし。 と思っていると、廊下の先に、よく下に支えが付いていて床から1mくらいの位置にくるようになっている灰皿がありますよね、それが目に留まりました。そこで一目散にそこまで走ってその灰皿を取って隠したんですが、悲しいかなドーナッツ状になっていて隠す目的を果たせません。困り果てて、最後の手段でフロントまで行って鍵を開けてもらうしかないということになりました。 そこで、意を決してエレベーターに乗って下のフロントの階まで降りて行きました。そしてフロントへ駆け込んで、「部屋の鍵を開けてくれ」と頼んだそうです。 いやー、フロントの人も驚いたのなんの、なんたって真っ裸の人がエレベーターから降りてきて、「部屋の鍵を開けてくれ」と言うわけですから。フロントの人もこれは大変だ「今すぐ開けますから、しばらくお待ち下さい」と、Aさんをフロントの前にそのままにして作業を始めちゃったそうです。タオルかなにかくれればいいのに、フロントの人も相当気が動転していたんでしょうね。幸い、鍵があくまで他のお客さんとばったり出会うこともなかったそうで、よかったですね。



© Rakuten Group, Inc.